Homeインストラクター養成コースエアロビクスの現状<管理人の一考察です>

エアロビクスの現状

三種の神器からプールが脱落

2006/12/08(日刊ゲンダイ「中高年もハマるフィットネス 現場最新情報」から)
フィットネス業界では長く「スタジオ、ジム、プール」を三種の神器と呼んで不可欠とされたきた。ところがプールの利用が落ち込んでいるという。「メークを直したり、髪をかわかしたりするのが面倒」「発汗などの効果がはっきり実感できない」のが理由だという。
水道、光熱、管理……しかも命にかかわる事故の危険性が高く人員配置などコストは他に比べてかかる。それが今では厄介者扱いだ。反対に利用率が急上昇しているのがジム。パーソナルトレーニングでの利用も増えている。また、スタジオもヨガやピラティスなどの癒し系プログラムの効果で男女問わず活況。
こうしたことから、プールを設置しない第3世代のクラブ(ゴールドジムやワウディー。サーキット運動が主体のコンビニ型フィットネス)が登場、店舗数が急激に増え出した。

ここ数年のトレンドといえばスパだろう。風呂、サウナはもちろん、温泉、露天風呂、岩盤浴・溶岩浴……温浴施設が集客の要となっている。

細分化の必要性

2005/09/05
10月になれば、新規店も続々オープン。いったい、どのような店舗ができ、どうようなプログラムが提供されるか興味は尽きない。かつて都内駅前だけだったティップが地域密着型レヴァンと合併し、さらに郊外へ積極展開。駅前・住宅街・郊外という3つのスタイルとなる。 郊外の新規店といえば、初級中級のレッスンとヨガなど中高年向けというイメージがある。しかし、郊外といえども競合地区への参入なのか、空白地区への出店なのかで変える必要もあるだろう。さらに言えば、コンビニ業界のように店舗ごとの細かい商品構成も必要だ。駅前といってもオフィスが多い店舗と商店街にある店舗を同列にはできない。また、ターミナル駅と言っても新宿と池袋は別物。さらに、朝、昼、夜の来客の動向分析など店舗区分はもっと細分化される。それとともにレッスンの細分化も必要になる。

↓でも書いたが、各メディアに登場する「有酸素運動」だが、エアロビクス、エアロビックダンスではなく、ウォーキングとか水中(プール)歩行がほとんど。細分化というよりは多様化。エアロビクス=フィットネスクラブというのは一般世間ではもはや通用しない?

最近とんと見かけないエアロビクス

2004/01/06
フィットネスクラブのプログラム=エアロビクスという時代は、養成コースに入るまでに第一次、二次、三次……と何段階もの関門があり、養成コースに入った時点で「花形」であり、インストラクターになればフィーも高く「食っていけた」という話を聞いた。
現在では、ゆきぷうもそうだが(やろうと思えば)誰でもなれる。BTS(ティップネスでいえばラッシュシリーズ)などは簡単な研修を受ければインストラクターとしてレッスンを受け持つことができる。それだけインストラクターが特別でもなく、花形でもなくなっている。スタジオプログラムの中で、エアロビクスは特別なものではなくなっている。フィー=収入も特別ではないのは当然か。
格闘技エクササイズ、バレエエクササイズ、ダンササイズ、ヒップホップ、ジャズダンス、ジャザサイズ……さらにチェアビクスやさまざまな健康体操など異業種がどんどん参入している。体幹を鍛える、姿勢をよくする、肩こりや腰痛の解消など機能・効果を訴えるエクササイズも登場している。フィットネスクラブのレッスンだけではない。テレビや新聞、雑誌でもエクササイズ特集が組まれることが多いが、エアロビクスの出番はない。もちろんエアロビクスがスタジオプログラムの基本であることは変わりはないだろうが、もはや特別なものとはいえないだろう。ただ音楽に合わせた有酸素運動でしかないとしたら居場所は減るばかりだ。かつてハイインパクト中心のプログラムの危険性が遡上に上がり、安全なレッスン、ローインパクトの概念がでてきたように進化し続けなければならない。ストレッチ、フットパターン、繋ぎ、組み立てなどはどんどん変化を遂げている。そのためのワークショップなども盛んだ。常に最新のものを提供していくために勉強は欠かせない。その変化こそが生き残る道だろう。

進化か退行か

2003/11/15
先日、あるクラブの上級者クラスで見かけた光景。レッスン開始、プレゼンでいきなり手の振りの練習、続いて複雑なフットパターンの練習(もちろんダブルカウント→は〜や〜く)。
レッスンの味つけとして、また手と足の複雑なコラボレーションを売りにした上級者向けレッスンは多い。エアロビクスを「進化、発展」させようとする試みなのだろう。だが、レッスンの貴重な時間を割いてまで「おまけ」の手の練習する意味はあるのだろうか。エアロビクスって何だっけ?有酸素運動でしょ。
いかにスムーズにつなぎ60分の構成をするか、タップフリー(タップアウト)、レイヤーといろいろな技術が進むなかで、むしろ「退行」ではないか。味つけのための複雑な手&足の動きのためにエアロビクスの根幹の部分を忘れてます。レッスン中にやたら動きを止めて手&足の練習をするのも同様だろう。そうならないためにインストラクターが分解し、それをこなすのが上級者のはずだ。
このクラブのインストラクター(全員というわけではない)が巷のワークショップで講師を務める&参加することが滅多にないのはこういうわけです。最先端をうたい文句にしているが、かなり遅れてます。

ステップの時流

2003/10/24
遅蒔きながらティップネスでもステップに本腰をいれるような動きがある。いや正確にはインストラクターがステップ人気の乗っかろうとしているのかもしれない。これまでの踏み台昇降の枠を越えて、ダンサブルとでもクルクルとでもいうのか……ま、世間一般の流行のステップが増えつつあるのだ。
ステップフリークには歓迎されるだろうが、安易な増加はスタジオプログラムの混乱とも成りうる。
なぜか?ティップのシステムの弱い部分が浮き彫りになるからだ。
エアロビクスを考えてみよう。たとえばスリムアップ(中級)。タップ有り無しどころではない。レベルも内容も大違い!手の難度うんぬんのコテコテ系、強度◎のパワー系、昔ながらのエアロ、ビジュアル系、野郎系、そして旧レヴァン店のレイヤー系と多種多様。これがティップのエアロというのは一体どれなのかわからない。しかし、この多種多様がティップの特色だ。他店舗利用によって自分の好みのレッスンを追い続けられるから。月曜はここ、火曜はここ、祝日はここ……というように、多種多様なエアロの中からいくらでも選択できる。これが「業界最高レベル」「エアロが盛ん」といわれる由縁。業界最高のエアロビクスではなく「業界最高のエアロビクスのシステム」だ。
これがステップではどうか。昔ながらのタップ有りの踏み台昇降系、タップアウトのクルクル系、分解もすっ飛ばす激ムズ系……すべてスリムステップ(中級)だ。この多種多様ぶりはエアロと一緒だ。
最近ではリズムステップ(初級)でも、この多種多様ぶりが出つつあるという。こうなると○曜日のクルクル系レッスンは「面白く」、×曜日の踏み台昇降系のレッスンは「つまらない」となる。
指導ガイドラインを無視するような多種多彩ぶりはエアロでは歓迎される(=他のレッスン、別店舗のレッスンに出る)が、ステップでは厄介なものになる。致命的なのはエアロほどレッスンのコマ数がなく、選択の余地がないこと。これは合わないから他店舗に……と思ってもレッスンがないからだ。クラブ側の指導の甘さ、好き勝手なレッスンをするインストラクターの自業自得といえなくもない。クラブとして、どういうレッスンを提供するのか、させるのか?ハッキリした方針が望まれる。
ティップネスのステップのクラス設定
>レベル   エアロビクス   ステップ
やさしい……   ←       ←
初級  ……リズムジョグ等  リズムステップ
中級  ……スリムアップ等  スリムステップ
中〜上級……ヒートアップ     無し
上級〜 ……ティップコンボ  ステップコンボ
プログラム製作の感覚は古い時代?のまま。だから上級=ヒートアップにあたるものがない。中級の上はコンボ。実際のレッスンではスリムステップとコンボのレベル差は天と地だ。ただ難しいだけのインストラクターがカリスマと称されるのも狭い世界ならではの減少。代行レッスンを重ねるたびに参加者が減るカリスマってなんだろう。

スキルアップの必要性

2003/09/03
フィットネスブームをエアロビクスが後押ししたような、エアロビクスだけで食べていけた時代にはそれでよかったのだろう。グループエクササイズにおいては、未だにエアロがメインではあるのだろうが「絶対」ではない。
ヨガやピラティスなどのボディーワークもある、ましてやスタッフが受け持つパッケージプログラムもある。
世間一般の企業では正社員の割合が低下している。契約社員、派遣、パート、アルバイト……。業績に応じて雇用調整ができるなど、弾力的な雇用調整が出来るし、何といっても正社員よりコストが安い。エアロビクスのインストラクターも同じ扱いになろうとしている。もちろん、これだけスタジオプログラムが増えているにもかかわらず「エアロビクスしかできない」では、個人事業主としての売りがないとして仕方がないかもしれない。
いまではインストラクターは誰でもなれる(もちろん最低限の基礎技術は必要)し、新人は「安い労働力」として重宝?される。レッスンを持ち、スキルの向上&集客&貢献などでフィーは徐々に上がる。
しかし、段々と上限が見えてくる。
「単価×本数」だ
。体力、身体能力に自信があるならば、本数を増やせばいい。週30本でも40本でも50本でもこなせば、それこそ「やればやるだけ」収入はアップする。だが実際には脚や腰を痛めるインストラクターは多い。特にスケジュール変更の1か月後だ。これは労働環境の変化に身体がついていけないからではないか。
インストラクターになって5年目。同期のインストラクターもそれぞれ「違う方向」だ。
マッサージやトレーナーの認定を取り、レッスン以外の収入を得るというケースもあるが、フィットネス・インストラクターとしてはどうなのか。マッサージで得た知識&技術がエアロビクスに結びつくのか?副業として割り切るのならいいが、それでは「マッサージ師がエアロビクスをしている」だけに過ぎない。ゆきぷうの場合は「身体の使い方」というテーマのもとにBBDT、ジャイロ、そしてピラティスと進めている。これが正解というのではなく、一つのケースと考えていただきたい。進路は人それぞれだ。
もちろん費用対効果は考えなければならない。とりあえず何年かやってみたいという方もいるだろうし、結婚や出産を機に廃業する方もいる。その場合は余計な出費などしないほうが賢明だ。

寡占

2003/08/27
フィットネスクラブの統廃合により「寡占化」が進んでいる。都市型、地域密着店舗も一つのクラブとなるとどうなるのか。
各店舗独自の採用&査定基準がある場合はいいのだが、統一基準となると厄介なことになる。以前にも書いたインストラクターとしての個性の問題だ。まずフィーの基準となる査定。これがスキルなのか集客なのか両方なのか。たとえば集客だ。一般企業でも成果主義を取り入れていることが多いが、都市型、地域密着型どちらのレッスンを受け持ち、そしてレッスンの担当時間はいつなのか(曜日&時間)……これらを考慮しない、いやできない査定システムの危険性は否定できない。セールスの世界でも言われることだが(既存のおいしい所=固定ユーザーは決して手放さない)ベテランが圧倒的有利だ。店舗ごとの契約ならば交渉の余地はあるのだろうが、統一ではどうにもならない。それぞれの店舗の特性を加味した査定……というのは理想にすぎないのか。
インストラクターにとっては「レッスンの増加」というメリットはある一方で、おおまかな査定というデメリットもある。

スタジオプログラムではエアロビクスが担当するレッスン以外に社員やアルバイトスタッフが担当するレッスンがある。コリオ、進行、音楽までセットになったパッケージプログラムだ。これに関しては(メンバーさんでも分かるように)ある程度プログラムの色分けがされている。ただ、最近はアクアでもパッケージプログラムが出てきている。スタジオプログラムと違い、アクア・インストラクターの担当なのかスタッフ等の担当なのか判別はしづらい。とくにアクアの場合は明確な違いという分かりづらいからだ。雇用者にしてみれば経費の低い方を使うのは当然。こういう問題についてアクアの業界なり団体はどういう手を打つのだろう。

多様化するプログラム

2003/08/03
スタジオプログラムは多様化している。エアロビクス、ステップ、マーシャル系、筋コン、ボディワークス(ヨガやピラティス)と受け持ち可能なレッスンは格段に増えている。インストラクターとしてどの道を選ぶのかは重要な要素だ。また、これによって個性を出すこともできる。
ただ、プログラムの多様化だけ進み、周辺環境が整わないケースもある。時流に押されてプログラムを取り入れただけのクラブはそうなるだろう。周辺環境とは契約だ。いまだに契約項目が「エアロビクス」と「その他」しかない。その他というのは筋コン系プログラム、ヨガやピラティスなどのボディワークだ。確かにトレーニングの一環ではあるが……。
この場合、ステップも同様。エアロのフィーがそのまま適用される。いくらステップやピラティスなどを極め、個性を発揮しようとしても効果は疑問。評価できるシステムがないからだ。これでは良質のインストラクターは育たないし、集まらない。
どのような契約を結べるのか?個人事業主は、取引先(クラブ)を見る目も養わなくてはいけない。

業務委託

2003/07/30
インストラクターがレッスンを担当するにあたり、クラブと契約を結ぶ。通常はフリーのインストラクター(個人事業主)に対する業務委託の形だ。これは契約社員、派遣社員、アルバイト契約とは全くの別物。この3つは、いわゆる被雇用者になる。一方、業務委託はクラブは個人事業主の取引先にすぎない(であるから、社会保障、有給、労災などとは無関係=クラブ側は考慮する必要はない)。
一般的な企業における「業務委託の名を使う悪質な雇用のケース」を挙げてみよう。「業務委託社員」などという、もっともらしい名称で募集をかけた企業があるそうだ。業務委託は会社から指揮、命令を受けたり時間の拘束を受ける必要はないはずなのに、契約社員と同じ勤務形態を要求したという。これは「社会保障をカットし、有給休暇も割増賃金も払わないという意図」だ。
派遣の場合はどうか?「1年以上同じ仕事を更新した場合、その派遣先企業は直接雇用する努力義務が発生する。派遣先企業が拒否した場合は職業安定所が派遣先企業に対し直接指導、または企業名公表などの措置をとる」というルールがある。しかし、フィットネス業界における派遣の形態は通常の企業の派遣とは異なるケースであろう。
やればやるだけ、実力に応じて……というのはフリーの大きな利点。ただ、これは個人事業主として売りにできるもの(スキルや集客など)がある場合に限る。クラブ側に頼りっぱなしでは業務委託の有利さは活かせない。契約社員、派遣社員、アルバイトにも及ばない最下層の雇用形態になりかねない。これでは、対当な取引があできるはずもなく、立場の弱さだけが浮き立つ。ここ十数年来フィーが上がらない、いや低下傾向にあるのもこれが一因ではないか。

2003/06/05
ティップネスの会員向け情報誌Tipness PRESS2003年6/7月号に興味深い記事があった。池田美知子さんの連載「エアロビクスを科学する 第5回」だ。タイトルは「エアロビクスは体に悪い!?」
フィットネス時代の到来と言われていた1980年代に「エアロビクスは体に悪い!」という記事が雑誌に掲載された。関係者およびフィットネスに励む一般の人にも衝撃を与えたとある。
ハイインパクトばかりの危険性からローインパクトが生まれたという話は聞いたことがあるのだが、詳しいことは知らなかった。同連載では体に悪いといわれたエアロビクスがエクササイズとしての信頼をどう回復したかがかかれている。
衝撃的な記事が掲載されたのは「文藝春秋」(1986年8月号)。「インストラクターの60%がヒザや足首などに何らかの故障があり、生徒の30%も故障がある」などブームにのってやみくもにエクササイズを繰り返すことへの警鐘を鳴らした。この記事をきっかけにマスコミはエアロビクス批判に傾いたのだという。
健康増進のためのプログラムから、過激なダンスのような危険なものも見受けられるようになった……。
反エアロビクスの流れから約20年が経とうとしている。果たして現在のエアロビクスはどうか。同じテツを踏まなければいいが。
まあ、間違っても文藝春秋のネタにはならないだろう。昔ほどのブームが懐かしい気もする。

2003/05/18
ゴールドジムの戦略=原宿、中野のインストラクターの顔ぶれは壮観。まさに人気どころをかき集めたという点はお見事。原宿はアンテナショップというか、豪華な面子を揃えましたという格好のアピールになるだろうし、中野はステップ愛好者の殿堂?かと思わせるほど。競合どうのこうのではなく、割り切ったスタジオプログラム。それが会員獲得につながるだろうし、会員移籍or二重在籍とまでいかなくともビジター利用も見込める。だってゴールドのビジターって男2000円、女1500円と他クラブに比べて格安。週1ならビジター、週2、3回以上利用するなら入会しようかな……という心憎い料金だもの。
では競合とされるティップはどうするのか?中野にステップ増やしたところで、今更……。担当できるインストラクターの都合もつかないだろうしね。ステップ目当ての会員さんが移籍?ま、ゴールドのスタジオ収容人数を考えたら、そう脅威ではないはず。ただね、「ティップのステップは……」という評価のほうが怖いんですよ。

2003/05/17
パッケージプログラム=コナミのBTSシリーズが有名ですが、ティップネスでもラッシュシリーズとして導入されている。スタッフでもできる簡易プログラムはメンバーにとって「いつでもどこでも誰でも」同一のプログラムが受けられるという利点がある。また、プログラムをソフトとして他のクラブに提供(売る)こともできる。
全国展開を図るコナミにすれば、レッスンの共通&均一のためにも欠かせないものだ。エアロビクスなど他のプログラムで詳細なマニュアルを用いても統一はできないだろうし、統一されたとしてもインストラクターの個性まで失われるからだ。
ティップネスの強みは都心部集中の出店でしょうね。○○○○○プラス会員ならばどこの店舗でも使える。1店舗ごとに見たら、それほど魅力はないはず。ただ、好きな時間、店舗、インストラクター、プログラムを選べる(追いかけられる)からトータルで強い。会員の嗜好が変わってもクラブを変えるのではなく、利用店舗を変えていけばいいのだ。他クラブでもスーパーマスター会員のように全店舗利用可能の制度はあるが、東京&大阪に限っていえば集中出店のティップにはかなわないだろう。ただコナミと同じように全国展開したとしても、ティップの「強み」は期待できない。

2003/04/12
最近目に付いたこと。セントラルの車内吊り広告ですが、使用されている写真は2枚。いずれもレッスン風景。1枚は男性向けの格闘技もの、もう1枚は女性むけのダンスかバレエか……。スタジオプログラムといえばエアロじゃないの?残念ながら、エアロでは客が呼べないという判断でしょう。
でもね、エアロが時代遅れとかいうものではなく、スタジオプログラムの多様化です。かつては週何百本とスタジオプログラムの本数がキャッチコピーになっていましたが、それも時代遅れ。お客さんを増やすには、これまでと違う層を取り込まなきゃならないわけです。ダンスとかヨガとか癒し系プログラムとか。ただエアロさえありゃいいだろ、という発想では新規のお客さんはこないでしょうね。
この健康産業と脚光をあびていますが、施設が爆発的に増えることはありえない状況ですから、パイの奪い合いということになります。ですからインストラクターは何ができるか、売り物はなにかをアピールできなければ「その他大勢」となってしまいます。

2003/04/03
レッスンフィーについて。新人のように最低限の設定の場合は、上がり目もあるでしょう。ただし、世間一般では不況の名のもとに、やれリストラだの賃下げだのという言葉が飛び交います。日本のエアロ創世記とでもいいましょうか、エアロがもてはやされた当時(入会金うん万とかうん十万円とか)から、インストラクターとして働いている方の中には高いフィーをもらっている方がいます。それはそれで「既得権益」としていいのですが、これからの方はどうか?
クラブの収入=月会費とすると、限界が見えます。しかし、経費や人件費は上がるばかりです。ここでいう人件費とは業務委託契約を結ぶインストラクターに支払うフィーではありません。社員およびアルバイトに支払う給与です。まさか、給与を削ってまでフィーを上げることはしないでしょう。となると、レッスンフィーの上昇に関しては厳しいと言わざるを得ない。まさか「フィーを上げるため、月会費を値上げ」なんてことをしても会員の同意を得られないでしょう。ですから、単価×本数で稼ぐか、パーソナルトレーナーとして収入源を新たに作るしかない。
で、フィーの実態ですが、多くのクラブは査定および支払い実績は明らかにしていません。唯一の業界情報誌でさえ、そのへんに踏み込めないのは広告主との兼ね合いなんでしょうね。
保険について。病気やケガで長期の休み……ゆきぷうのケガでわかったのは一般的な「傷害保険」では不足だということ。傷害保険は通院日数×何千円ですから、治療費の足しにはなりますが休業補償にはなりません。また、業務委託契約の場合は労災などは適用されません。(フリーでも業務委託契約=報酬ではなく、給与としてフィーをもらう場合や社員andスタッフとしてレッスンを担当している場合は適用の可能性あり)
ですから、傷害保険だけではなく所得補償保険の加入も検討すべきでしょう。補償額や掛け金など詳細は保険会社にお聞きください。

2003/03/16
(下記からお読みください)
コスト削減=エアロの本数削減、フィー抑制。これだけではないんですよ。フィットネスクラブが産業として脚光を浴びるのは、医療費自己負担増加などによる健康志向の向上なども背景でしょう。でもね、健康志向=スポーツの実践にはつながらない。日本のフィットネス人口を欧米並みにというのが各クラブの目論みですが、果たして現在約3%のフィットネス人口は欧米並み8〜10%になるのか。健康食品かもしれないし、健康グッズかもしれない。わざわざお金はらって運動して健康になろうという人はいない?マッサージが盛況というのも、自分でするのではなく人にやってもらえるから。
ま、そのうち何%の方がクラブに通うようになるかもしれないが、そういう方たちが受けるスタジオエクササイズは何か。メンバー増加=エアロ人口増加ではないだろう、もちろん格闘技系も同様。追っかけとかハシゴとかは無縁ですよ。軽く動けていい汗をかけてお風呂&サウナでゆっくり……というお客さんが増えるでしょう。そういうお客さんのためのプログラムというのが増えるわけです。
コスト削減ですが、フィットネスクラブの収入源は会費に頼っているわけです。パーソナル導入などで他の収入源を模索していますが、一番は月々の会費。会員増加がクラブの収入増加となるわけです。これにも限度はあります。いまさら生産性基準原理ではありませんが、インストラクターのスキルが向上してもフィーにはつながらないかもしれない。もちろん人気インストラクターは会員の定着のためには重要ですが、これにも限度はあるわけです。たとえば5000円のインストラクターと3000円のインストラクターにどれだけ差があるのか。夜の美味しい時間帯であれば安いフィーのインストラクターでも十分と考えるクラブもあるでしょう。
フィットネスクラブに限らず企業の目的は利益追求ですから、まず削れるところは削る。エアロに高いフィーを払うだけでなく、スタッフが担当できるインスタントプログラムを増やす。これなら、わずかなフィー上乗せですむから。企業の立場からすれば当然の経営努力です。

2003/03/01
ティップネスのHPの下の方に「マシンカタログ」というのがあります。ここでは各種器具等の値段がでています。他におやっとおもうのが「運営プログラム」。これはラッシュシリーズ(パワーラッシュ、ファイティングラッシュ、スピードラッシュ)をソフトとして、他のクラブに売るということです。
導入メリットとして
1・今まで参加いただけなかった層の会員様を動員できます。
2・プログラムの定着化がはかれ、継続促進につながります。
3・スタジオプログラムを充実させながら運営コストを下げることができます。
4・レッスン内容の品質管理が楽になります。
5・レッスン前の準備が少ない分、担当者の業務効率が高まります。
と書かれています。
3=早くいえばコスト削減のためにスタッフができるプログラムが増えていくと言うことです。
4=決められたものだけ提供するだけ、しかも3か月は変わらない。
5=インストラクターは自分でルーティンを考えずにすみます。
ま、こういうプログラムは誰がやってもいいということです。もちろん、研修とかはやりますがエアロの養成で習う運動生理学とか強度とか、その他もろもろの知識は必要ありません。
コスト削減については営利目的の企業である限りは仕方がないことです。クラブのメンバーさんが急激に増えない限りはクラブの収入には限度があります。まさか、会費を上げるわけにもいかないし……。クラブが収益を上げるには別の方法しかありません。まずコスト削減、そしてパーソナルトレーニングなど有料メニュー増加ですね。
手っ取り早いのはコストのかかるレッスンのコマ数を減らし、コストのかからないレッスンを増やすことです。

2003/02/19
■アンチ・エアロビクス?
ジム入会
  └スタジオエクササイズ┐
             │
        エアロビクス(初級〜中級)
             │
             ├──格闘技系、その他
             │
        エアロビクス(上級)
スタジオエクササイズときたら、まずエアロ。初級、中級クラスで音楽に合わせて身体を動かすことに慣れ、その先はフットバリエーションやアームワークに凝る上級者クラスへ進むか、格闘技系などのクラスに参加するかはメンバーさんの選択しだい。
   スタジオエクササイズ┐
             ├────────────┐
             │            │
        エアロビクス(初級〜中級)  ダンス系、格闘技系、その他
             │
        エアロビクス(上級)
最近のパターンで多いのは、エアロに目もくれず格闘技系に向かうもの。もしくは初級〜中級クラスでエアロに見切りをつけるもの。エアロビクスが難しくなったからなのか。
エアロ人口が増えてない(特に若い会員さん)と感じるのは私だけか?

2003/02/19
■「アームワーク」
Vステップの動作時の手は足の踏みだしを補助する……こういうオーソドックスなものは習います。
薔薇手orコテコテについて「そういう手の振りはどこで習うのですか?」という質問があるそうだが、養成コースでは教えてくれませんよ。たまにワークショップで見かけるくらいです。

2002/10/21
■「3割死守」
FJ誌ではエアロのレッスン減を憂える企画を連載している。中尾先生がどのようなレッスンをしているのか、FJ誌のいう「現在のエアロビクス」がどういうものを指しているのか定かではないが、スタジオプログラムにおけるエアロの占める割合は低下しているそうだ。
さて、暇にまかせてスケジュールを熟読してみた。たとえばティップの老舗店舗、開店1周年、新規店だ。FJ誌が主張する「スタジオプログラムの3割死守」を越えている。老舗店舗のエアロビクス占有率は36%、1周年の店舗は45%、新規店は34%。ただし上級者向けクラス(サーキット、ヒートアップ、TIPコンボ、ステップコンボ)に限れば老舗店舗10本、1周年は4本、新店舗3本と逆転している。コンボ系があるのは老舗店のみ。
インストラクターが担当するプログラムとして3種類のヨガ、お腹シェイプ、アロマストレッチ、調整体操などがあるためエアロ減=収入減とはなってはいない。ただし研修を受けなければレッスンをもつことはできない。

2002/10/21
■楽短多
スタジオプログラムはどんどん増える傾向にある。しかし上級者向けクラスは減少の一途。これはフィットネス業界の傾向である「楽・短・多」によるもの。楽しい、楽な(短時間)クラスを多く……というもの。フィットネス初心者にはこういうものが受けるそうだ。もちろん1日の営業時間には限りがあるわけで、本数を増やすために1本当たりの時間は短くなる。60分クラスは非常に少ない。新規店はホントに30分クラスが目に付く。
■集客
よく集客という言葉が使われるが、参加する側とクラブ側の捉え方は別物といえそうだ。他店舗利用(無料)が可能なクラブの上級クラスの場合、同じ顔ぶれが移動しているだけであって、新規顧客開拓につながらないからだ。またゴールデンタイムに集客するのは当然という考えもある。
エアロ愛好者の高齢化も目立っている。健康産業としてフィットネスクラブがもてはやされているが入会者は20代よりも高齢者の方が多い。だからといってエアロ愛好者が少ないのではなく、若い人がエアロに流れてこないからではないか。初心者〜中級クラスでは新しい顔ぶれを見かけるが、それ以上のクラスではあまり見かけない。やはりその他のプログラムに流れていくのだろう。実際、ラッシュシリーズには多い。スタジオプログラムといえばエアロビクス、格闘技系、ライドしかなかった2〜3年前と比べると選択肢が増えているのもある。
■45分クラス
中級(現スリムアップ)クラスを中心に45分クラスというものが多い。S2と呼ばれていた当時は筋コン付き50分だった。それが中級と名を変え筋コン無しの45分に変更された。この45分というのは非常に便利なものだ。まずクラス編成。レッスン終了後のお客さんの退場、モップ掛け、次のレッスン参加者の入場(インストラクターが連続して担当の場合は着替え)に15分は必要……1時間サイクルでスケジュールを組める。さらにレッスンフィーの計算。クラブによっては50分でも60分クラスの相当するフィーを払うところもある……それが微妙なラインとなる。15分刻みの45分なら4分の3だから計算も楽。

養成コースに通ったのは1998年〜のことであり、現在ではシステムが変更されている場合があります。「エアロビクスの現状」は管理人の一考察です。

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