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ジャイロトニック®ティーチャートレーニングコース

私がジャイロを始めたきっかけは、私の動きに大きな欠陥があってのことでした。その欠陥とは「肩胛骨が動かない」「体幹の回旋動作ができない」の2点でした。岩沢先生のもとでキックボックスフィットネスを学んだことで、この弱点を知り、改善するためにありとあらゆるものに取り組みました。その結果がボディーバランスやジャイロトニック®でした。
中学、高校、大学、そして新聞記者、フリーライターと約30年近く、運動と名前のつくものをほとんどやったことがないので、当然といえば当然なんでしょう。でも、インストラクターとして動きのデモンストレーションを見せるのであれば、身体は限りなく100%使えなければといけないのではと感じていました。それが、2001年夏にジャイロトニック®のセッションを受ける決意をした理由です。そして、それはやればやるほど面白いと感じ、夢中になっていく自分がいました。単にハンドルを回すだけのことなのですが、なかなか同じように上手に回し続けることが出来なかったり、関節にすき間を与えようとする動きが、自分のエアロビクスのレッスンに変化を与えていたことを客観的に知らされたり──ざまさまな変化を自分にもたらしてくれるジャイロトニック®をもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思うようになりました。そんなときに、あけさんから「来年の春、ロスでティーチャートレーニングコースがあるけど、行ってみる?」と声をかけていただいたのです。

ロサンゼルスで2週間

☆当然、飛びつくように「行きます、絶対、行きたい!」。そして、2002年──ロスに行くための特訓が始まりました。ジャイロトニックの動きにはそれはそれはたくさんの種類があります。ハンドルを使う動作だけでも10種類以上あるでしょうか。“拷問マシン”と噂になる原因のひとつ「ストラップ」もタワーの上と下にあるので、それを使う動作も合わせるとかなりの数になるでしょう。それをお客様に指導できるようになるための養成コースに行くのですから、当然、その動きは最低でもマスターしておかなくてはならなかったのです。土曜のレッスンの後、すぐに着替えてあけさんから指導を受けていた私をみかけたかたがきっといらっしゃると思います。疲れた身体にさまざまな動きを記憶させるのは本当にしんどかったです。しかし、本当に大変だったのはロスに行ってからだったのでした。
☆2週間の「ティーチャートレーニングコース」を受けに来ていたのは十数名。過去に受け、現在はすでに指導をしている人たちもスキルアップのために参加していたので、20人近く参加者がいました。参加者はダンサーやカイロプラクティックの先生、セラピストなどでした。どうやらフィットネス関係者は私たちだけのようでした。1台のマシンに3〜4人の参加者、そこに指導をしてくれるマスタートレーナーがひとりというグループ編成でした。私とさえちゃんのグループにはあけさんがトレーナーとしてつきました。そして、もう一人。すでにジャイロトニック®を指導しているキャロラインが一緒でした。モダンのダンスカンパニーに所属するキャロラインが私たちのグループに加わったのには理由がありました。キャロラインが日本語を話せたからです。話を聞くと、以前は、日本人男性と結婚していたそう。「離婚した」とアッサリ言っていたキャロラインがよく話す日本語は朝の挨拶「おっはー!」でした。

☆今回は、ジャイロトニック®の考案者であるJuliuが参加し、直接、動き見せたり指導をしてくれた恵まれた2週間でした。Juliuは一見、仙人のような風貌で、お昼ごはんのあとには必ず昼寝をしたり、参加者が一生懸命、練習している最中に大好きなワインをがぶがぶ飲んだり・・・と書くと、ものすごくイヤなおじいちゃんのようですが、ひとたびマシンに座るとその美しい動きに圧倒されます。そして、それは日常の歩き方も同じでした。ある日、お昼を食べた私とさえちゃんは少し前を歩くJuliuの姿に息を飲みました。それは無駄な力が一切感じられず、しかし、安定感のある美しい歩き方だったのでした。

☆ひとつの動作をJuliuやマスタートレーナーが参加者に見せ、どういうふうに指導者としてサポートするかを教えてくれます。そのあと、実際にグループで練習します。一人がクライアント役、そして一人が指導に回るのですが、Juliuが「Chenge people!」と言ったら、どんなに途中でも次の人と交代しなくてはなりません。Juliuの言葉は、絶対でした。かといって、重苦しいムードはまったくありませんでしたが。私は正直なところ、クライアント役のときも日本で覚えた動きが思うようにできず、指導担当のときもうまくサポートが出来ず、とても苦しんでいました。とくに指導担当のときに思うようにクライアントを触れない、自分では見たり、教えてもらったとおりにやっているつもりなのになにかが違うことにジレンマを感じていました。それは、パーソナルトレーナーの勉強をしている現在も苦しんでいることなのですが。日本に帰ってから気がついたのですが、私はグループエクササイズの指導が中心で、グループエクササイズでは直接、参加者を触って指導することは意外と少ないのです。ということは、人に触ることに慣れていないのは当然と考えればよかったのです。そして、相手に触ることは、自分の感情や精神状態が相手に伝わる可能性があるということで、あいまいなサポートや中途半端なガイドは、クライアントを不快にさせるかもしれない──それほど難しいもので、そうカンタンにはできないと思えばよかったのです。しかし、言葉もわからない、自分の弱点がどんどん露呈されることばかりに気持ちが向いていました。そして、ちょうどスタートして8日目。練習途中で、大声をあげて泣いてしまいました。

☆マスタートレーナーのジーナ、そしてあけさん、さえちゃんはとてもとてもビックリしていました。しかし、あけさんもさえちゃんも実は私が精神的に追い込まれていたことに気がついていたようで、心からフォローをしてくれました。あとでジーナやあけさんが教えてくれたことですが、心と身体は密接な関係があり、大胸筋をストレッチする動きが続いていたときに泣いたのは、心の中にあったストレスがすべて表に出てしまったのだろうということでした。そう言われてみると、しょんぼりしたときには肩をすくめ胸が縮こまっています。やる気バリバリ!のときは、胸を張っていませんか?このことがあってから、レッスン中に「心と身体は密接な関係があるのです」というトークを入れるようになりました。そう。転んでもただでは起きないんです、私。うふふ。翌日、今までやった部分のかんたんなテストがあり、残りはあと半分になりました。一度、泣いてしまったせいか、その後はとても冷静に出来るようになりました。いつもいつも「やりたい!」と思ったことに飛びつき、ただただ突き進んでいくイノシシのような私の生き方に、この一件はとてもとても大きななにかを与えてくれたのは言うまでもありません。ロスでの2週間は、神様が私にくれたプレゼントだと今も思っています。

養成コースに通ったのは1998年〜のことであり、現在ではシステムが変更されている場合があります

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