« 2010年12月15日 | メイン | 2010年12月24日 »

2010年12月21日

私の先生

父が亡くなってかれこれ10年経つでしょうか。


正直、あまり上手につきあえなかったので
父のようなかたは苦手だと思っていたのですが・・・。

数ヶ月前からKuuに私の父ぐらいの年齢になる男性がいらしています。
数年前に脳血管疾患で倒れ、半身が少し麻痺していらっしゃいます。
タクシーと杖を駆使して毎週1回、Kuuにいらっしゃり、ジャイロトニックを
楽しんでくださっています。


動かしづらい足を動かすとき、ひょいと手でもちあげ
「あ!それはズルです!」というと
へっへっへーと笑ったり。
ハンドルを回すときは
真剣すぎて息が止まっていたり!
ぎこちなかったり難しかったり。
でも、毎週笑顔でがんばっていらっしゃいます。

あるとき、帰り際にひとこと。


「未来が見えた」


そうおっしゃいました。
ゆっくりゆっくりだけれども、
少しずつ変わっていく自分のからだを感じたからこその言葉。
その言葉の重みにいろんなことを感じました。
どんな状況になっても、少しでも変わろう、変えようと思う気持ちが
大切だということ、そして諦めないこと・・・なにげないひと言の
なかにたくさんの意味がつまっていました。

そして昨日。
足裏のマッサージをしているときにぽつりと
「みんな、考えかたが違う」と。
「自分のからだをなんとかしようとしないのね」。

病気とリハビリを経験しているからこそ、動くことの大切さを
実感するひと言に心打たれました。
健康であることの大切さを、健康なときはつい忘れてしまいます。
ちょっとからだを動かせば解決できることすら、あれこれ言い訳を
してしまうのは、健康の大切さを忘れているから。
放っておいたらその先、どうなるかわからないのに・・・。
なにげない会話のなかに、私がこれからどんなふう生き、
どんなふうに仕事をしていけばよいのか、
そのエッセンスがたっぷり含まれていた気がしました。


父とうまくつきあえなかった私は正直、このクライアントさんに
楽しんでいただけるようなセッションが提供できるのか、不安でした。
医療従事者ではない私が「リハビリテーション」に近いセッションを提供
できるのかどうかもわかりませんでした。
でも、ジャイロトニックやジャイロキネシスでジュリウから学んだことをやれば
きっときっと大丈夫!そう思って来ていただくようになって20回のセッションが
終わりました。

昨日も一緒にたくさんジャイロトニックの楽しさと気持ちよさを
シェアしました。
私がジャイロトニックを教える・・というより、
このかたは今のわたしにとって大切な先生です。

「からだがやわらかくないから」とか
「難しそうだから」とか。


たくさんのエクスキューズよりも大切なのは
「健康でいたい」というシンプルな気持ち。
その気持ちさえ持っていれば、ジャイロトニックやジャイロキネシスは
その人のサポートをしてくれるはずだと私は思っています。