■日刊ゲンダイ2006/12/16
「中高年もハマるフィットネス 現場最新情報」の最終回。「ビジネス拡大に鼻息荒い」フィットネスクラブ。会費は頭打ち(1万5000円が上限)で、これ以上の値上げは難しい。
商売の手を広げる手法として「ウェア」「シューズ」「サプリ」などの物販がメーン。これにマッサージやエステなどのボディーケアが加わる。どこでも見られるものだが、大手クラブ幹部のコメントとして「次の目玉は異業種との提携」というものがある。
「人間ドックの導入や内科診療機関とのタイアップ、カフェやレストランといったテナント程度では誘客の目玉にはなりません。ウチは美容整形や有名カットサロンなどと組んで健康と美容の殿堂を目指すつもりです」
「異業種とのタイアップで施設の充実度を高め、多岐にわたるサービスが展開できれば、もう一度、高級化や入会金制度の復活など収入増の道が開けてきます」
また、別のクラブの役員はこんなプランを明かしている。
「芸能プロダクションや広告代理店と組んで、フィットネス業界からカリスマインストラクターを誕生させたいんです」
前者の大手クラブ幹部ってどこだろう。メディカルフィットネス系でないのは確か。美容の殿堂として経営すればエステのように都心のど真ん中にビルが建つに違いない。
後者はカリスマを作り上げて集客。「グラビアアイドル並のインストラクターが出てきたら面白い」「個人レッスン10万円でも予約殺到」だと。インストラクターになった(兼ねる)タレントさんはいるが、それほど大騒ぎになるほどのものか。なんとか売り上げアップ、入会金制度復活を目的としるようだが、かつてのように入会金頼みの経営→競争激化→安売りとならないか。いずれにせよ、「美と健康への投資」とフィットネス業界が頼りにする「健康志向」とは、ちょっと方向が違うような気がする。